「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 心が震える 今世紀最高の名作

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

何度かこの作品の特集ページを作ろうと思ったのですが、何回見ても感動が大きすぎて胸が痛くて作れませんでした。 原作は暁佳奈さんの処女作品です。第5回京都アニメーション大賞小説部門で同賞初の大賞を受賞しました。 こんな凄い作品を最初に書いてしまったら作家としては不幸でしょうね、多分これ以上の作品は生み出せないでしょう。 京都アニメーションの為に書かれた作品ですから凄い力作なのが伝わってきます。 ヴァイオレットのキャラクターデザインは秀逸です。 原作ではハッピーエンドで終わるのですがテレビアニメでは物悲しい終わり方になっています。 舞台は大陸戦争が勃発しているライデンシャフトリヒ国、ある日ギルベルト・ブーゲンビリア陸軍少佐が兄のディートフリート海軍大佐に戦場で拾った女子少年兵を押し付けられるます。 ギルベルトは武器として育てられた、言葉も喋れなかった少女をヴァイオレットと名付けて教育を施します。 ヴァイオレットは「ライデンシャフトリヒの戦闘人形」と渾名され、単独で一個分隊に匹敵する戦闘力を持っていました。 そして訪れたインテンス最終決戦で、ギルベルトは未帰還兵となりヴァイオレットは両腕を失います。 義手をつけて入院しているヴァイオレットの元にギルベルトの士官学校時代からの親友クラウディア・ホッジンズ元陸軍中佐が訪れ、ヴァイオレットをギルベルトの親戚エヴァーガーデン家に預けようとします。(ホッジンズがギルベルトから託された最後の頼みだった)しかしヴァイオレットはこれを拒否します。仕方なくホッジンズはヴァイオレットを自分が経営する郵便社に住み込みで働かせることになります。 郵便社で自動手記人形(ドール)の代筆を見たヴァイオレットはホッジンズに同じ仕事がしたいと申し出ます。 

私は少佐が最後に仰った、「愛してる」を知りたいのです。

戦うことしか知らなかった感情のない、無表情な少女ヴァイオレットが代筆業を通して様々な人々の「愛」に触れていきます。 やがて自分が戦場でしてきた数多くの殺人に後悔し恐れを抱きます。 職場の仲間や自動手記人形育成学校の友人達に助けられながら、ギルベルトが自分に与えてくれた本当の「?」に気づいていく物語です。

劇場版アニメ(2020年9月公開)では、ヴァイオレットのお客さんのひ孫が過去の出来事を調べる旅に出て、ヴァイオレットの人生を明らかにしていきます。最後は原作通りハッピーエンドになっています。その劇場版の前に外伝(永遠と自動手記人形)が一本制作されていますが、京都アニメーション放火殺人事件と重なり完成が危ぶまれていましたが、2019年9月に公開されています。内容はテレビ版の代筆エピソードを劇場版にした感じでしょうか。死者・負傷者が69名(死者36名)の大参事があったにもかかわらず、執念で制作したのだなと思うと作品の見え方も変わります。

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